超音波分散機処理対象となる粒子懸濁液を超音波場内に直接置き、高出力超音波を「照射」する、非常に強力な分散法です。まず、超音波の伝播は媒質をキャリアとして利用する必要があります。媒質中における超音波の伝播は、正圧と負圧の周期を交互に繰り返します。媒質はコロイドの正負の圧力によって圧縮され、引っ張られます。
超音波が媒質液体に作用すると、負圧領域における媒質分子間の距離が、液体媒質が変化しない臨界分子距離を超え、液体媒質が破壊されて微小気泡が発生し、キャビテーション気泡へと成長します。気泡は再び気体に溶解するか、浮上して消滅するか、超音波場の共鳴位相から離れて崩壊することもあります。キャビテーション気泡は液体媒質中で発生、崩壊、または消滅します。キャビテーションは局所的に高温高圧を発生させ、巨大な衝撃力とマイクロジェットを発生させます。キャビテーションの作用により、ナノパウダーの表面が弱まり、ナノパウダーの分散を実現します。
超音波分散機の使用上の注意事項は次のとおりです。
1. 無負荷運転は禁止されています。
2. ホーン(超音波プローブ)の水深は約1.5cm、液面は30mm以上が適切です。プローブは中央に位置し、壁に張り付かないようにしてください。超音波は垂直方向の縦波であるため、深く挿入すると対流が発生しにくくなり、粉砕効率に影響します。
3. 超音波パラメータ設定:装置の動作パラメータを設定します。温度条件に敏感なサンプル(細菌など)の場合、通常は屋外で氷浴を使用します。実際の温度は25℃未満である必要があります。そうしないと、タンパク質、核酸は変性しません。
4. 容器の選択:サンプル数と同じ数のビーカーを選択してください。これにより、超音波処理中のサンプルの対流が促進され、粉砕効率が向上します。例えば、20mLビーカーの方が20mLビーカーよりも優れています。例えば、100mLの大腸菌サンプルの場合の設定パラメータは、超音波処理を5秒/5秒間隔で70回(合計10分)行います。出力は300W(参考値)、500mLの場合は約500W~800Wです。
投稿日時: 2022年9月23日